昔話むかしばなし ②

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びょうぶのトラ


むかし、一休いっきゅうさんとう、あたま小僧こぞうさんがいました。
 一休いっきゅうさんの「とんち」のひょうばんをいて、殿様とのさまがおしろ一休いっきゅうさんをびました。
「そこにあるびょうぶのトラを、しばりあげてくれぬか。夜中よなかにびょうぶからけだして、わるいことばかりするので、こまっておるのじゃよ」
もちろん、そんなことあるはずありません。びょうぶにえがかれたトラは、キバをむいて、いまにもおそいかかってきそうでした。

一休いっきゅうさんは、
「ほんとうに、すごいトラですね。では、しばりあげてごらんにいれます。なわをよういしてください」と、いました。
家来けらいが、一休いっきゅうさんになわをわたしました。
「では、トラをびょうぶからおいだしてください。すぐにしばってごらんにいれます」
と、殿様とのさまいました。
もちろん、なかのトラはてきません。
殿様とのさま一休いっきゅうさんのあたまさにおどろいて、ほうびをあげました。

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